私の利き手、もしかしたら。
どうも、ご無沙汰しています。
11月の更新からしばらく、はちみつ(ハニちゃん)が加わって生活がさらに賑やかになり、新年から5年日記を書き始めたり読書を再開したり、なかなか充実した毎日を過ごしていて、
私は元気です。
毎日何を食べたとか、仕事中に起きた良いこと悪いこと、2022年2月22日22時22分にスクリーンショットをおさめたとか、人に見せるようなものでもないほどの日常を5年日記にしたためて、1月から3月のまだたった数十頁の薄い束をぱらぱらとめくっては自己満足に浸っている。
ただ、どうしても5年日記の数行にはおさまりきらない「コロナワクチン接種後の副反応によって知らされた私の利き手」について記録すべく、久しぶりにプライベート用のノートパソコンを立ち上げている。
***
3月19日午後。私は3回目のコロナワクチンを接種した。
1回目2回目と同様のモデルナ。
ファイザーの方が副反応が少ないと言う人もいれば、副反応がある方がコロナにかかりにくいとか言う人もいる。正直どれも個人差があるのでは…と思っているのでファイザーだろうがモデルナだろうがどちらでも良い。
ありがたいことに職域接種で受けさせてもらえるということで、私は大の病院嫌いだからこういう機会に半ば無理やりにでも受けないときっと永遠にワクチンなんて受けないだろうし、思い切って予約をした。
もう半年以上前のことで、前回副反応がどの程度のものだったかあまり覚えていなかった。高熱は出た記憶があるがご飯も食べられたし、たしかしっかりビールも飲んだ。(よいこはまねしないでね!)
なんの根拠もないけれど、なんとなく3回目は大丈夫だろうという油断丸出し状態で会場に向かった。
余談、一応接種直前にはエナジーチャージのためにラーメン大盛りをたいらげてから挑んだ。
今回は職域接種の受付担当を頼まれてしまい、もちろんお断りすることもできず、でもそのおかげで苦手な注射への恐怖心が少し和らいでいたのは間違いない。ありがとう我が責任感。
受付は30分間与えられていたし、私は最後に接種するから心の準備をする時間もある。よし、モデルナよ。ばっちこい。
そんなこんなで始まった職域接種の受付。
みなさま、さすがです、早め早めの余裕をもった行動。
30分の受付、なんと3分で終了。
心の準備をする間もなく、自分の番があっという間にやってきてしまった。
金髪のなんとも怪しい先生の問診を受けた後は、恰幅の良い女性にぷすりと針を刺された。私は左利きなので右腕に打ってもらった。左利きだから。
そのあとは同僚と少しお茶をして豪雨の中、帰宅。
ワクチン接種から3時間後だった。
その夜、呑気にスーパードライの瓶ビールを嗜みながら(よいこはぜったいにまねしないでね!)旦那さんが用意してくれた豪華な夕飯をつまみながら元気にテレビを見て過ごしていた。
のだが。
鼻から出る息がなんとなく熱い気がする。
それから接種した右腕がずんずんと重く痛い。
徐々に目を開けているのもつらくなって、旦那さんをリビングに残してお先に寝室に向かった。
これが、ワクチン接種から9時間後のこと。
寝る前に検温したら、その時点で38℃をゆうに超えていて悪寒もしている。ここから熱がさらにあがると覚悟して、毛布3枚にくるまって寝た。
夜中、身体中の鈍痛により目が覚める。
寝返りを打とうにも、右腕、いや右半身が痛すぎて身動きが取れない。水が飲みたいけれど腕が伸ばせない。少しでも毛布をふわっと削ごうものなら途端に悪寒がして、無意識にうううぅぅ、と唸り声まで出てしまう。
それでもどうにか水を飲んで、念のため検温。
40.7℃
どひゃー。
成人してからこんなに高熱が出たのは初めてだ。40℃を超えてくるとさすがに意識も朦朧として、夢と現実を行ったり来たり。母と夕飯の買い物に出かけて、鍋に切り餅を入れる入れないで口論している夢を見ていたのを覚えている。
驚いたのは体温だけではない。
右腕を少し動かしてみると、ゴリッゴリッといやぁな感触とともに激痛が走る。わきの下のリンパがとてつもなく腫れているのがわかる。
這いつくばるようにしてキッチンまで行き、冷蔵庫から冷えピタをとってわきの下に貼ると、やわらかいジェルがクッションになって、いくらか楽になった。
3月20日。
夜中に何度も目が覚めた割に、朝はいつもと同じ時間に起床した。
それでも身体は悲鳴を上げていて、熱もまだまだ下がりそうにない。
左利きの私、いつものように日常生活を送ろうと、洗面所に向かう。
洗顔、右腕を顔の位置まであげるのはそこまで痛くない。
歯磨き、左手で磨くので問題なし。
しかしここからが問題だった。
お手洗いに行く。
用を足す。
拭く。
…拭けない。
なぜなら右腕を後ろに回すことが、上にあげるよりもうんと痛いのだ。
一晩貼り付けられた冷えピタはすでにかぴかぴに乾燥していてジェルがクッション代わりにもなっていない。摩擦で腫れあがったリンパと腕があたって痛い。痛すぎる。
ああぁぁあぁ!!と声を出してどうにか痛みを散らして、パジャマのズボンを上げる。
またそのズボンを上げる際の引く動作が痛いのなんのって。
いてぇのよ。
昼はミイラのように布団にもぐって、せめて気持ちだけでも楽しみたいと猫の動画を延々と見続けていた。
ようやく熱も37℃台に落ち着いてきて、夕飯は私のリクエストで宅配ピザを頼んだ。病み上がり(なんならまだ病み真っただ中)にもかかわらず、我ながらずいぶんジャンクなチョイスだと思った。
さすがにお酒は、なし。
何か月ぶりかの休肝日だ。
熱は落ち着いたものの、まだまだリンパの腫れがおさまらない。針を刺した場所よりも、わきの下の方が圧倒的痛み。
さすがに3日目ともなれば、痛みも消えるだろうと期待を込めて就寝。
3月21日。
イライラした気持ちで目が覚めた。初めてかもしれない。眉間にしわを寄せてイライラした状態で起きたのは。
痛いのだ。わきの下がとにかく痛いのだ。
午前中は動きたくもなくて、布団の中でスマホをいじりながらごろごろしていたが、このままでは廃人になる。
明日から仕事なんだ。そろそろ生活リズムを戻さなくては・・・
(ハァ、せっかくの三連休、療養で終わってしまった)
まずは体を起こして洗面所へ。
昨日同様、洗顔と歯磨きはセーフ。
お次は洗濯。
ネットに入れる作業、右手使用につき痛み伴う。
上部の棚から洗剤をとる作業、右手使用につき痛み伴う。
洗濯干し、ハンガーを竿に干す作業も右手使用につき痛み伴った。
相変わらずのお手洗い。
小だろうが大だろうがなんだろうが、我が家は座って左側にトイレットペーハーホルダーがあるもんだから、もういずれにしてもクロスの動作がリンパのゴリゴリを刺激して痛い。
いつもならスイスイ拭けるおしりも今日ばかりは何分かかったかわからない。
冷蔵庫をあけるのも、右手を使っていた。
スマホを使うのだって右だ。
ビールを注ぐのも、包丁だって、にゃんこたちのご飯が入っている扉を開くのも、なんだかんだ私は左利きと言いながら日常生活で右ばかりを使っていたのだ。
いなくなって気付く、たいせつさ。
なんてよくいうけれど、まさにその言葉の意味を知った。
使えなくなって知ったよ。
私が30年間、どれほど右手に支えられて生きてきたかということを。
でもちょっと面白い。
字を書くときは左。
お箸を持つ手も左。
歯ブラシも左。
歯ブラシに限っては右手で持つと顔まで一緒に動くという謎の現象が起きる。
ボールを投げるのは右。
蹴るのも右。
スマホを持つ手も右。
ジョッキを持つ手も、右。
そして、トイレットペーパーを操るのも、右。
ワクチンの副反応で改めて気付かされた利き手のこと。
私は、自信をもって「両利き」と言ってもいいのかもしれない。
ちなみに私の右脇では、まだまだ腫れあがったリンパが暴れている。